全国コープ福祉事業連帯機構

厚生労働省へ、2024年介護報酬改定に対する「生協の意見」を提出しました。

2023年11月21日、一般社団法人全国コープ福祉事業連帯機構(略称:コープ福祉機構)(※1)は、日本生活協同組合連合会(略称:日本生協連)、日本医療福祉生活協同組合連合会(略称:医療福祉生協連)とともに、2024年介護報酬改定に対する生協の意見を厚生労働省宛てに提出しました。

2023年11月10日公表の「令和5年度介護事業経営実態調査結果(案)」では、全サービス平均の収支差率が前年度調査から0.4ポイント悪化し過去最低水準となりました。また、「令和4年雇用動向調査」では、医療・福祉の「入職超過率」が、現在の統計手法になってから初の減少となるなど、他産業への流出等による人材不足も深刻化しており、介護サービスの提供体制は危機的な状況にあります。

介護離職やビジネスケアラーの増加が社会問題となるなか、社会全体で支え合う仕組みである介護保険制度を将来にわたり持続可能な制度としていくために、さらなる検討を求めています。

<2024年介護報酬改定への「生協の意見」の5つの重点事項>
1.介護報酬の大幅引き上げ
2.介護人材確保・定着につながる新たな施策と報酬評価
3.地域密着型サービスの整備強化と理解促進
4.自立支援サービスの推進とケア評価
5.報酬体系の簡素化

<意見のポイント>

○介護報酬の大幅引き上げが必要、利用者の2割負担対象拡大は反対

介護事業所の収支差率が大幅に低下し、介護人材確保の困難さと相まって、介護サービス提供体制は危機的な状況にあることを踏まえ、介護報酬の大幅引き上げを求めています。また、今回の改定においては、利用者の2割負担の対象拡大が検討されていますが、新たな負担増は利用抑制につながりかねず、在宅生活の継続を脅かすものとなることから反対します。

○介護人材確保・定着につながる新たな施策と報酬評価

介護人材の確保・定着を図るためには、職場環境と処遇の改善が不可欠です。それらを実現するために介護報酬の引き上げおよび補助金・基金等の活用等、総合的な施策の拡充が必要です。また、将来の介護人材確保のためには、介護職の社会的評価を高め、介護の魅力や専門性を国民に伝えていくことが必要であり、文部科学省などの教育分野とも連携した取組みを幅広く実施することが重要です。さらに、外国人人材の活躍を広げることも必要であり、生協グループでは人材育成やサービスの質向上に取り組んでいます。

○利用者をささえる地域密着型サービスの拡充と自立支援サービスの推進

全国の生協介護サービスでは利用者の自立支援と尊厳保持を目指し、「生協10の基本ケア®」(※2)を展開しています。LIFE(科学的介護情報システム)を活用した自立支援につながる介護サービスの推進においては、生活モデルの観点から総合的にケアの在り方を評価すべきです。在宅生活の継続や医療介護連携といった質の高いケアを提供できる包括報酬型の地域密着型サービスの全国的な拡大と安定的な運営のため、評価および補助金等、施策の強化を図るべきです。

※1 2022年6月、日本生協連は、生協法人および社会福祉法人と協同し、生協グループにおける福祉事業の発展・強化を目的に「一般社団法人全国コープ福祉事業連帯機構」を設立しました。
全国生協で打ち出している「誰もが安心して自分らしくくらし続けることのできる地域づくりへ貢献する」「利用者の尊厳を護り、自立支援サービスの提供で、その人らしい在宅生活の継続を支える」という方針の実現を目指し、福祉介護事業を進めており、2023年11月時点で44社員47法人(発足時から13社員増)まで拡大しています。

※2 「生協10の基本ケア®」は、全国の生協の福祉事業で導入を進めている、自立した在宅生活を支援するための介護サービスです。利用者ご自身が「ふつうの生活」を取り戻し、利用者・家族のQOL(生活の質)を高めていくもので、市民生活協同組合ならコープが母体の社会福祉法人協同福祉会が2006年4月より実践してきた考え方をもとにしています。
日本生協連では2018年に老人保健事業推進費等補助金を活用し、介護サービスの質評価に係る研究実績のある研究者らによる多面的な検証によって、生協の介護サービス「生協10の基本ケア®」の重度化予防の効果を実証しました。

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