生協みんなの介護・くらしラボ開設 一周年記念セミナー開催報告

11月11日は「介護の日」。
昨年の介護の日、『生協みんなの介護・くらしラボ』 はスタートしました。
生協の職員から介護やくらしに役立つ知識をお届けする「くらしのレシピ」や、生協の福祉の取り組みについて発信しています。
開始から一年を迎え、皆さんと一緒に介護や地域とのつながりについて考えたく、先日「生協みんなの介護・くらしラボの開設1周年記念オンラインセミナー」を開催しました。当日はおおよそ140名の方にご参加いただきました。

1.人生を豊かにする介護・地域のつながり

セミナートップバッターは、藤沼先生。
日本医療福祉生活協同組合連合会の副会長、長年家庭医としてご活躍されています。

〇みなさんの健康因子(元気のもと)はなんでしょうか。

病気に原因があるように、実は健康にも健康の元(健康因子)があると言われています。
例えば、毎週末に同好の仲間と集まること、決まった時間に決まったルートを歩くこと、趣味、家族や友人など、
人生いろいろ大変なことはあるけれど、頑張っている心の中には大切にしている何かがある。
それが健康の元(元気・頑張れるもと=健康因子)である可能性があります。
さてみなさんの健康因子(元気のもと)はなんでしょうか?

介護の場面においても、その人の「健康因子」を見つけること、“元気のもと”を見つける関わり
大切です。

〇みんな工夫しながら「健康」に生きている

病気の有無で健康をはかるのではなく、健康とは毎日のルーチン、例えば朝起きてトイレに行く・歯磨きする・着替えてご飯を食べる・・等、あたり前にできる「資源」だという考え方があります。誰もが毎日24時間、自分スタイルの「ルーチン」を持っています。

障がいや病を抱えていても、誰もが工夫しながら自分のルーチンを繰り返し、生きています。
昨日も今日も明日もルーチンを繰り返しながら同じ自分がいると思える、そんな生活スタイルこそが健康と言えるのです。

〇人が癒され回復する地域(ヒーリングランドスケープ)

生協で考えよう、ヒーリングランドスケープ

医療ではカバーできないケアを地域が担う可能性があるんです。
人との偶然の出会い、そこから生まれる対話、心地よさを感じる場所など、地域の中には、偶発的に、また予想外の出来事などが、心や身体を癒したり回復につながることがあります。その回復と癒しになるには「公共空間」が必要なのです。
人が癒され回復する地域を、ヒーリングランドスケープと言います。

ヒーリングランドスケープ・・そこに生協がある。そのような街づくり、とても魅力的です。

2.介護は、愛情より根性より知識!

大阪健康福祉短期大学実践研究センター長 川口先生からは、介護について学ぶことの重要性について語って頂きました。

〇生協10の基本ケアをみんなの合言葉にしよう

誰もがいつかは経験する介護ですが、事前に学ぶ機会はなかなかありません。
知識がないまま突然介護を受ける立場におかれると、お互いに助け合えず、自己責任論を助長してしまいます。
介護を受ける状態になることは、人に迷惑をかけることではありません。
生協10の基本ケアは、介護を受ける人、する人双方にとって知っておくべきベーシックな知識です。
普段のあたり前のくらしの中で気づくこと、まずはお互いの学び合いから始めませんか。

みんなの合言葉 生協10の基本ケア

介護は、愛情より根性より知識です!生協10の基本ケアは介護職員だけのものではありません。
また「介護=お世話」でもなく “with介護で自立する”、ともに学んで支え合っていくことが大切です。

3.生協だからこそできること

生協みんなの介護・くらしラボの作成・運営にご支援頂いている株式会社Blanket取締役の野沢さんは、パネルディスカッションにご登壇。生協への応援メッセージ頂きました。

生協には「生協なら安心できる」という信頼感、そして生協10の基本ケアを中心に積み重ねてきた介護の知見があります。
しかしまだまだ生協の介護の強みを生かしきれていない印象です。(まだ生協の介護が知られていない)
でもできることや可能性はたくさんあります。このラボ、コープ福祉機構があることで、全国が横につながっていくこともできる。
介護現場の職員や組合員さんとの連携、そして地域の皆さんに向け良い情報を発信をしていくことで、課題解決のハブになれるのではないでしょうか。情報発信の活動はまだまだ始まったばかりですが、今後の広がりが、まさに生協の持つ可能性とも言えるでしょう!

生協の介護や福祉が持つ可能性。Blanket野沢さんから応援メッセージ

みなさま、ありがとうございました!

X(旧twiiter) でも随時発信しています。
https://twitter.com/COOP10care

この記事を書いた人・法人について

古屋直樹さん

一般社団法人全国コープ福祉事業連帯機構

愛知にある生活協同組合コープあいちで介護・福祉の専門職として現場での実践をしてきました。現在は全国コープ福祉事業連帯機構に出向し、各種プロジェクトや社員法人の皆さんと連帯の取り組みを行っています。

おススメの記事

介護やくらしに役立つ情報はこちら!