~夕食宅配主任が認知症について学び合いました~

夕食宅配職員さんに、認知症について知ってもらいたい!

エフコープの夕食宅配弁当事業は、管理栄養士監修の献立をもとに、栄養バランスに配慮した日替わり弁当を平日に届けるもので、福岡県内を中心に展開されています。高齢者の暮らしを支える地域密着型の取り組みとして、スタッフたちは日々、食と安心を届けています。

その夕食宅配事業ですが、始まって12年半。高齢の利用者が多く、近年では物忘れの症状が見られる方も増えてきました。現場では、「お弁当が届いていない」「頼んでいない」といった声に戸惑うこともあり、対応に悩む場面も少なくありません。

そこで、エフコープの福祉部門で、夕食宅配の主任向けに認知症についての学習会を開催しました。その取り組みの事例をご紹介します。

離れていても、つながる学びの場

働く拠点が様々であることから、今回はオンライン会議ツール・ZOOMを活用し、認知症について学び合う時間を持ちました。画面越しではありますが、同じ現場に立つ仲間として気持ちを共有しながら、理解を深めていきました。

 

認知症を「自分ごと」として考える

 

学習会では、認知症の基本的な理解を深めるとともに、ワークを通じて「物忘れがある方の気持ちを想像する」ことに取り組みました。認知症を「自分ごと」として捉える視点を大切にしました。

取り上げた事例は

  • 同じ話を何度も繰り返される
  • 配達時に「頼んでいない」と断られる

これらの場面に対して、「その方はどんな気持ちだったのか?」を想像し、参加者同士で意見を交わしました。

「覚えていないことに、本人も不安を感じているかもしれない」
「繰り返し話すのは、安心したい気持ちの表れかもしれない」

そんな気づきが、自然と生まれていきました。

現場の声から生まれる対応の工夫

「お弁当を一緒に探すこと」など、利用者の困りごとに真摯に向き合うスタッフたち。限られた時間の中で衛生管理にも気を配りながら対応する現場では、思いがあっても、常に理想的な対応ができるとは限りません。それでも、経験をもとに対応のヒントを共有し合う貴重な時間となりました。

参加者からは、こんな声があがりました:

  • 「まずは共感することが大切だと改めて感じた」
  • 「否定せずに、安心してもらえる言葉を選びたい」
  • 「不安な気持ちを和らげることから。正しいことを伝えたくなるが、まずは気持ちに寄り添おう」

「自分も将来通る道だからこそ」

学習会後のアンケートでは、

「まずは共感!と笑顔!否定しない言葉遣いによる返答!難しいですが、自分も将来行く道でもあることから、みんなで共有化したい」

といった前向きな声も寄せられました。

夕食宅配は、単に食事を届けるだけでなく、利用者の暮らしを支える大切な仕事です。今回の学び合いは、認知症について考えるきっかけとなり、柔軟な対応についても考える機会となりました。

共感から始まる、やさしい地域づくりへ

認知症の方が安心して暮らせる社会は、一人ひとりの理解と共感から生まれます。今回のような学びの場が、あちらこちらで生まれ、社会全体がやさしさに包まれるように… 私たちにできることを見つけ、これからも続けていきたい。

 

エフコープ生活協同組合
採用情報|エフコープ生活協同組合 (fcoop.or.jp)

 

この記事を書いた人・法人について

林祐子さん

エフコープ生活協同組合 福祉事業部 運営・企画課担当

居宅介護支援事業、小規模多機能型居宅介護支援事業の管理者を得て、現職に至っています。 生協10の基本ケアについて、スタッフとともに学び、組合員や地域の皆様に向けて学習会を開催しています。

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