認知症があっても、できること、やりたいことはたくさんある! あすならホーム柳本グループホーム『自治会』の取り組み(あなたの街の「生協の介護・福祉」)
奈良県にあるならコープを母体とした社会福祉法人協同福祉会では、「お年寄りから子どもまで、みんなが安心して暮らせる地域や町であって欲しい。」という想いの実現を目指し、奈良県内20ヶ所で高齢者福祉サービスを提供しています。
今回はあすならホーム柳本グループホームの取り組みを紹介します。
できること、やりたいこと、たくさんある!
あすならホーム柳本グループホームでは、たとえ認知症があったとしても「できること、やりたいことは沢山ある。自分達のくらしは自分達で決めてもらいたい。」という想いから、月に1回、自分達のしたいことを話し合う、入居者主体の会議『自治会』を行っています。
この話し合いはみんなで決めた会長の挨拶から始まります。
前回の振り返りを行い、今月のしたいことや、買出しの担当、当日の役割を話し合いで決めていきます。出た意見は、入居者の方がホワイトボードや議事録に書き込みを行い、参加できなかった方にも分かる様に廊下の掲示板に貼り出しを行います。
「花を植えたい」、「昼食を作って食べたい」、「お弁当をとりたい」、「忘年会のメニュー決め」等、様々な意見があがり実行しています。
買い出しは近くのスーパーに行き、作ったメモを見ながら「買い忘れがないかな?」「こっちの方がいいかな?」と、しっかりと品定めまでされ、レジでお金を払うのも入居者の方にして頂きます。当日は、それぞれが出来ることを分担し、みんなで協力して行います。
「どうやって切る?」「味付けは私がするよ。」「これでどうかな?」と、お互いに声をかけあったり教え合ったり。
「私もできることある?」と自分から声を掛け参加して下さる方の姿も見られます。
「わたし」の声を聞いてくれる喜び。
話し合いでは、はじめは自分の意見を中々言うことができなかった方も会議を重ねるうちに積極的に発言をしたり、今まで交流が少なかった方同士で「一緒に買い物行こう。」と誘い合う姿、昔の経験を思い出し、「予算はどれぐらい?値段の交渉をしてみよう。」と言って下さる姿が見られます。
認知症があっても、サポートがあればできることは沢山あります。入居者主体の話し合いを行う中で、その人の新しい一面や、できることの発見に繋がり、職員も一緒に楽しく取り組みを行っています。これからもしたいことができる環境を、入居者と共に作っていきたいと思います。
グループホーム介護職 西山さんの声
私が初めて「自治会」に参加した時、職員が全て決めるのではなく、利用者さんが主体となり話し合いをしていることに驚きました。利用者のみなさんが、とてもいい表情で話し合いをされているのです。普段と違う表情が見られ、私も楽しく参加しています。
利用者さんがやりたいことを自分で決められるのがとても素敵だと思いました❤
★ご紹介★・・・年末に開かれた自治会の食事会で開会の挨拶をする入居者の方
*グループホームは、認知症の診断を受けた方を対象にした施設です。可能な限り自立した日常生活を送ることができるよう、家庭的な環境と地域住民との交流、食事や入浴などの日常生活上の支援や機能訓練などのサービスを受けることができます。共同生活をする住居に5~9人の少人数の利用者が、介護スタッフとともに共同生活を送ります。
*社会福祉法人協同福祉会
社会福祉法人協同福祉会採用募集サイト
この記事を書いた人・法人について
田尻直子さん
あすならホーム柳本 グループホームサブリーダー