認知症のある方こそ大切にしたい!日常生活の土台を取り戻すこと(介護・くらしのレシピ集)
このレシピのポイント
日々のルーティーンをこなすことこそ大切なことです
誰もが持っている「回復する力」を引き出す関わりが重要です
住み慣れた地域でいつまでも自分らしく生きることを支えよう
コープみらいの訪問介護サービス提供責任者をしているキタさんから届いたレシピ♪
認知症の方は、周囲の方々の関わり方にストレスや不安を感じたり、そもそも身体の不調があったり、不慣れな環境に置かれたりすることで、不安や興奮状態を引き起こすことがあります。これを行動・心理症状と言います。
今回は、認知症からくる行動・心理症状が目立つ女性の支援経過についてご紹介します。
今回はある利用者さんをご紹介します。
利用者さんが通っているデイサービスで、他の利用者への暴言や暴力行為が続いていました。
そして・・・デイサービスからは利用を断られることになりました。
そこで、精神科病院への入院や施設入所の話が進んでいきそうになっていました。
しかし、利用者さんの日常の様子を知っている田端介護センターのみんなで支援を行い、陽気な笑顔あふれる在宅のくらしを取り戻したケースをご紹介します。
〇日常を知っているヘルパーだからこそ
田端介護センターのヘルパーは、利用者さんのデイサービスの送り出しとお掃除を支援していました。
ご自宅でのご様子はいたって穏やか。
そのため、「精神薬の服用」も「精神科への入院」の話も、どうしても納得いきません。
そこで、ご家族と利用者さんご本人が、どのような状態になったら良いのか、考えを重ねました。
不安な渦中にいるご家族と何度も話し合い、ヘルパーのみの対応で、日々を過ごしてみることにしました。
認知症もあり、生活の変化にどう反応するか予測不能でもあった中、ヘルパーは利用者さんの想いや不安に寄り添い、力を信じ、試行錯誤しながら精一杯の対応を積み重ねました。
〇向き合っていくことで日常生活の土台を取り戻す
毎日、1日3回、ヘルパーの訪問がスタートしました。
するとヘルパーの想いに応えるかのように、利用者さんは日増しに、時間ごとに元気になっていきました。
気が付けば、朝起きたら窓を開け、一緒に換気をし、床に足をつけてイスに座っています。
温かい食事をし、座ってヘルパーと会話をします。
ご自身でトイレへ行き、ご自宅のお風呂で入浴しています。
利用者さんの好きなハーモニカを夢中になって吹いています♪
これらが日々のルーティーンとなり、陽気な笑顔があふれる毎日となっていました。
食事をしっかり食べること、誰かと交流すること、夜はしっかり眠ることなど、生きる土台となる当たり前の生活を整えることで、日常生活を取り戻していくことができるのです。
たとえ認知症があっても、周囲の関わり方で気持ちが落ち着き、生きる基本を整えることで住み慣れた場所での生活を送り続けることが可能となり、自分らしいくらし「尊厳の保持」にもつながるのです。
〇より良いケアは自然と生協10の基本ケアに繋がっていく
尊厳を護り、在宅生活で取り組む自立を支援する介護。
利用者さんは、生協10の基本ケアの項目が、いくつも取り組めるようになっていたのです。
当初は容易ではない状況でしたが、ここまで辿りつけたのは田端介護センターのヘルパー一人一人が一丸となって、利用者さんを想い、くらしを再構築してくれたこと。多くの時間、介入したヘルパーの連携・尽力の賜物です。
先月、この利用者は発熱を機に入院となってしまいました。
共に過ごせた2ヶ月半という時間に感謝し、今ある生活の場での幸せを切に願います。
利用者 さんが沢山笑っていられますように🕊
コープみらい採用サイト
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この記事を書いた人・法人について
ニックネーム:キタさん
生活協同組合コープみらい・田端介護センター・サービス提供責任者