「介護は、ありがとうの言葉にいちばん近い仕事」。 一人ひとりに深く寄り添うホームヘルパーの魅力とは。(「生協の介護・福祉」のプロ紹介)

数ある介護の現場の中でも、利用者の自宅という生活に密着した場面でサポートを行う訪問介護の仕事。「基本的には利用者さんとの一対一なので、よりダイレクトに感謝の気持ちを頂ける気がします」そう話すのは、神奈川県内で福祉サービスを手がける生活協同組合ユーコープ 「コープケアサポートセンター港南」で働く介護員の湯澤さん。幼い頃から介護の仕事に興味を持っていたという湯澤さんが語るホームヘルパーの仕事の魅力とは?気になるお話を伺った。

喜んでもらうために試行錯誤の連続。
だからこそ、実を結んだときのやりがいは大きい。

――訪問介護員として、普段のお仕事はどんなことをされているのですか?

ご利用者さんのご自宅にお伺いして、料理・掃除といった家事援助からオムツ交換、更衣、口腔ケアやお一人では不安な方と一緒にお買い物や余暇活動(障がい者をお持ちの方、高齢者)等を行うのが私たちの仕事です。基本的にはご利用者さんとの一対一のコミュニケーションの中で、個々人に合わせたスピードで介護を行えることが訪問介護ならではの魅力だと思います。

ご利用者さんの中にはお一人で頑張って暮らしている方やご夫婦で暮らしている方もいて、その生活は様々です。基本的な介護の流れこそありますが、その中でも自分なりにアレンジを加えながら、ご利用者さんに少しでも良い気持ちで訪問の時間を過ごしてもらえるよう、お一人お一人に心に寄り添わせていくことを心がけています。

――マニュアルがあるようでないという感じなんですね。ご利用者さんごとに求められるものが違うというのは、苦労する点も多いのでは?

対人間のやりとりなので、一筋縄ではいかないことも多いです。先週と今週で違うことを求められたりとか、言葉ではこう言っているけど本心はどうなのかとか…男性の方だと特に、強がってみたりということもあるので。時間や回数を重ねる中で、その方にとってどんなことが喜ばれるのか、試行錯誤をしながらお邪魔させてもらっています。ただその分、感謝の言葉を頂けたときのやりがいは大きいんです。

――やりがいを感じる瞬間というのは、具体的にどんなときですか?

沢山ありますが、例えばお風呂の介助で「背中流してもらって気持ちがよかったわ」と言って頂けたときや、私がご自宅へ伺うことで「いつもこの時間を楽しみにしているのよ」というお言葉を頂けたときは、頑張ってよかったなと思いますね。

――単純に助かるだけじゃなく、介護してもらえる時間が楽しみという言葉はとても嬉しいですね。

ご自宅という一番プライベートな空間にお邪魔する分、笑顔や感謝の言葉を頂けたときは、ある意味家族のように受け入れてもらえているのかなと感じて、私自身パワーをもらえますね。訪問介護の仕事は、ありがとうって言葉とすごく近い場所にある素敵な仕事なんです。

原点は小学校時代のクラブ活動。
人を笑顔にできる仕事に魅力を感じた。

――介護のお仕事に興味を持ったきっかけを教えてください。

小学生の頃のクラブ活動で、近くの介護施設の方と交流する機会があったんです。そこで施設の職員さんや介護されている方と遊んだり、お出かけをしたことが子供心に楽しかった記憶として残っていて。今思えば、それが介護というお仕事に触れた原体験でした。

――そこで「素敵な仕事だな」という第一印象を持たれたんですね。

中々笑顔の見られないご利用者の方もいたのですが、そんな方でもお出かけしたときにすごくニコニコされる瞬間があって。人と人のふれあいが、こんな風に人を笑顔にできるんだと思ったことが印象に残っています。社会人になり一度は保育士の道を選んだのですが、子育てが落ち着いたタイミングもあって、以前から興味を持ち続けていた介護の仕事をしてみたいと転職を決めました。

穏やかな気持ちでご利用者さんの元へ向かえるのは
理解ある職場のおかげ。

――転職をされて現在は入社5年目とのことですが、今の職場のどんなところに魅力を感じますか?

まずは職場の雰囲気が明るいこと!皆さんすごくいきいきと楽しそうに働かれていて、面接のときから「あ、ここで働きたいな」と思ったくらいです。どの先輩も話しやすく常に気にかけてくださるので、わからないことも質問しやすいです。事業所の雰囲気のよさがそのままご利用者さんにも伝わっているのかなと思います。

子育てに理解のある職場という部分も魅力です。今でこそ週5日間勤務ですが、入社当時はまだ子供も小さく、週に1~2日勤務でスタートさせてもらったんです。学校行事や子供が熱を出して休まなければいけないときでも「大丈夫だよ、お大事にしてね~」なんて言って頂ける環境はとてもありがたかったです。そのおかげがあったから、ここまで続けられていると思います。

――理解のある職場、とても魅力的ですね。

やっぱり人間なので自分の生活に余裕を持てないと、お仕事的にもうまくいかない部分につながってしまうのかな…と思います。職場として柔軟に対応して頂ける安心感があるので、穏やかな気持ちでご利用者さんのお宅へ訪問できていると思います。

――ワークライフバランスがとれる環境だからこそ、気持ちを整えて仕事に臨めるのですね。お仕事以外の時間はどんな風にリフレッシュされていますか?

珈琲を飲みながら本を読んだりして、ゆっくりした時間を過ごすのが好きです。珈琲屋さんで好みの豆を買ってきて、自分で挽いて淹れることもあります。その一杯をゆっくり飲めたときに幸せを感じますね。

ご利用者さんやご家族に
元気と笑顔を届けられる存在になりたい。

――最後に、今後の目標はありますか?

ご利用者さんやご家族の方の些細な変化に気が付けるヘルパーになりたいです。今持っているホームヘルパーの資格のほかにも、介護福祉士の資格も取得したいと考えているので、その知識や経験を現場で活かせればと思います。まだまだ色々な方との出会いがあると思うので、自分自身の体調も気を付けながら元気と笑顔をお届けしていきたいです。

この記事を書いた人・法人について

湯澤智美さん

生活協同組合ユーコープ
コープケアサポートセンター港南 勤務

2017年入職。小学生の頃のクラブ活動を通じて、介護の仕事に興味を持つ。社会人になってからは一度保育士の仕事に就くが、出産を機に元々挑戦したいと考えていた介護職へ転職。現在は訪問介護員として、ご利用者の方々への介護を行っている。

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