介護士×管理栄養士としての視点で、 食から介護生活を豊かにする仕事。(「生協の介護・福祉」のプロ紹介)

介護生活を構築する要素の中でも重要な役割を占める「食」。そんな食にこだわった介護を提供しているのが社会福祉法人協同福祉会の運営する「あすなら苑」だ。管理栄養士としてだけではなく「介護士」兼「管理栄養士」として働く職員が多いという同施設。川上さんも二つの面を持ち合わせ働く職員の一人だ。そんな川上さんに気になる働き方についてお話を伺った。

あたたかい食事が生活によろこびを生む。
管理栄養士ならではの介護のかたち。

――川上さんは「介護士」兼「管理栄養士」としてお仕事をされているそうですが、その内容はどんなことをされているんですか?

あすなら苑は「食事は生活の中の一部」という方針のもと、通常の介護に加えてご利用者さんの食事面のサポートにも力を入れている法人でもあります。その中でも私が現在所属する「安心ケアシステム」は、訪問介護を中心としたケアを行っている部署です。

介護士としての仕事は、ご利用者さんのご自宅へ伺って、掃除や買い物、排せつ管理などの介助から、お元気にされているかの安否確認などがあります。管理栄養士としての部分では、訪問時の食事の用意や、ご利用者さんごとに食生活で気になる点があればアドバイスなども行っています。

訪問以外に施設で行う業務もあります。苑内に来られるご利用者さんの中でも、疾患や透析などで食事制限が必要な方々のために食事調整をしたり、訪問先で提供する「おとどけおかず」(冷凍おかず)の品質確認、栄養成分のチェックなどもしています。

――「食事は生活の一部」という方針が、ご利用者さんの生活にどんな影響を与えていると思いますか?

あすなら苑が掲げている「あすなら10の基本ケア」という提言の一つに「あたたかい食事をする」という項目があります。楽しく食事をして頂くために食器にこだわったり、炊き立てのご飯と出汁のきいたお味噌汁を苑内の各フロアにあるキッチンで手作りするなど、家庭的な雰囲気であたたかい食事を楽しんでもらえるよう意識しています。

ご利用者さんが過ごされているフロアからキッチンで料理している様子が見えたり、つくっている時のいい匂いが流れてくるので、「きょうはどんな料理?」と見に来られる方もいらして、食事の前からも食の楽しさや喜びが利用者さんに伝わっているのかなと思います。

ご自宅へ訪問した際にもあたたかい食事をご用意することで、ご利用者さんが「おいしい」と箸が進んでいる様子を見ると、私としても嬉しくなりますね。

兼務しているからこそ、
ご利用者さんとより親密な関係性を築ける。

――今の職場で働くことになったきっかけを教えてください。

実は私は、元から介護士になりたかったわけではなくて。元々私の母が民生委員をしていて、地域の高齢者のお宅に安否確認を兼ねてお話をしに行く活動をしていたんです。その話を聞いていた私は「いつか自分もそんな仕事をしてみたい!」と思っていました。

管理栄養士養成課程のある大学で学んでいたので、卒業後の進路としても管理栄養士としての知識を在宅で生活されている方のために活かせる職に就きたいと考えていました。そんな中であすなら苑が介護の中でも訪問介護に力を入れている法人だと知り、新卒で入社しました。

――管理栄養士としての知識を活かせる職場として、介護との出会いがあったのですね。現在は入社3年目ということですが、この仕事のどんな部分に魅力を感じますか?

例えば管理栄養士としてだけの入社だったら、事業所内での業務が多く利用者さんと接する機会も少ないと思いますが、訪問の介護士も兼務する立場だからこそ、ご利用者さんと直接関わることができるのがこの仕事の魅力だと思います。

私は本来、人に話しかけるのがあまり得意なタイプではないんです。でも訪問をするようになり、ご利用者さんから普段の食事だけ以外にも最近あったことや、その方がご経験されてきたことなど色々なお話を聞けるので、今では何気ない会話も楽しみになりました。この間も、ご利用者さんにお正月の黒豆のレシピを教えて頂いたりして、そんな風に人生の先輩方と関われることが嬉しいですね。

「今日は何しに来たん?まぁ入り入り~」とご近所さんみたいに迎え入れてくださる方や、食事を用意することに対して「ありがとう」という言葉や笑顔を頂けると、とてもやりがいを感じますし、私もそんなおじいちゃんおばあちゃんのようになりたいなと思います。

迷ったときに導いてくれるのは、
同じように現場に立つ先輩のアドバイス。

――職場としての働きやすさはいかがですか?

経験豊富な先輩方がすぐそばにいてくれる環境が有難いです。ご利用者さん宅への訪問は基本的に一人なので「他のヘルパーさんはどうしているんだろう?」と悩むことも少なくないですが、そんなときは先輩にアドバイスをもらいに行きます。同じように現場に立つ先輩に「私のときもそうだったよ」と言って頂けると悩みが少し軽くなりますし、心強いです。

また、あすなら苑では月に1回、各ヘルパーさんの思うことやご利用者さんごとの様子を共有するためのヘルパー会議も行われているんです。一人で抱え込まずに済むというのは、私のように介護を未経験から始める方にとっても働きやすい環境だと思います。

――迷ったときに頼れる先輩方の存在はとても心強いですね。お仕事のリフレッシュや息抜きはどんなことをされていますか?

漫画や小説、アニメを読むことがリフレッシュですかね。休日はもちろん、今はスマホで楽しめるので通勤中に読んだりもしています。ちょっとした時間に楽しめるので、気持ちの切り替えにも役に立っています。

自分にとっても、利用者にとっても
満足のいくケアを届けたい。

――最後に、今後の目標を教えてください。

地域の方の食事をこれからも支えられるように、その中でも私が関わったことでご利用者さんが体力的に回復したり、「これを食べられてよかった」と思って頂けるようなサポートをしていきたいと考えています。現場の話で言えば、今産休に入られている先輩のお仕事を任せて頂けることも増えてきたので、一緒に働く職員の皆さんと一丸となっていい方向に進めるよう、求められる以上の働きができたらと思います。自分にとって満足のいく仕事と、ご利用者さんにとってのいいケアを提供できるようにこれからも頑張ります。

社会福祉法人協同福祉会採用サイト
就職をお考えの方|社会福祉法人 協同福祉会 (asunaraen.or.jp)

この記事を書いた人・法人について

川上智加さん

社会福祉法人 協同福祉会
あすなら苑 安心ケアシステム勤務

大学時代に栄養学を学び、その知識を介護の現場で活かそうと同施設に入社。現在は定期巡回・随時対応型訪問介護看護サービスを提供する「安心ケアシステム」に所属し、利用者に対する訪問での介護と食事の面でのサポートを行っている。

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