「生涯にわたる心ゆたかなくらし」の実現に向けた“生協10の基本ケア”(あなたの街の「生協の介護・福祉」)
「住み慣れた地域で、その人が自分らしく安心して暮らしていくためのお手伝いをする」
エフコープ生活協同組合が大切にしていることです。エフコープ生活協同組合の福祉事業部では、介護サービス(介護保険適応サービス)、しょうがい福祉サービス、子育て支援サービス、介護保険外自費サービス(ふれあいサービス)を福岡県内に展開・提供しています。毎年生協10の基本ケアをテーマとした事例研究発表会を開催しており、その模様を以下にご紹介します。
よいケアってなんだろ
「なぜだろう?」「本人はどうしたいのだろう?」「どんな方法があるのだろう?」
より良いケアを目指し、毎日のケアの中で感じた疑問や気づきを追究することは、とても大切です。
今年は5施設7チームが研究に取り組み、発表に臨みました。
「なぜ?」を追求した研究者たちは、自分たちが作った資料を元にオンライン発表を行いました。
発表を聴いた職員たちは、所属しているサービス分野や、取得している資格などは関係なく、また施設の垣根も関係なく、思い思いの質問を投げ、それに研究者たちは、答えていきました。
全員が積極的に参加し、より良いケアについて考える時間となりました。
みんなの心を動かした最優秀賞!
活発な質疑応答のあと、参加者全員が、それぞれ「評価シート」にもとづきポイントをつけます。
その結果、今年は北九州福祉施設が研究した「諦めからの始まり~Age100.生命力が私たちを変えてくれた~」が最優秀賞に選ばれました。その内容は、デイサービスを利用しているもうすぐ100歳の女性が主役です。
その女性は99歳のチヨさん。入院により寝たきりとなってしまいました。周囲は、さすがにこれ以上の回復は望めないのではないか・・と諦めを感じていました。ところがある日、座って排泄したところ、とっても心地よさそうな表情をされたのです。チヨさんの生きる気力を感じた私達は、“当たり前の排泄とは何なのか”、再度考えることとなりました。
そして思ったのです・・・「排泄だけではなく、一つのことができるようになることで、他のくらしの場面でも、前向きにチャレンジする力がうまれるのではないか?」。チームみんなで諦めないチャレンジが始まりました。
床に足をつけて座る正しい座り方や、トイレの排せつ時の環境を見直すことで、当たり前の自然排泄が可能になりました。
また介助を受けながら食べていた食事も、自分でお箸やスプーンを持ち、食べることができるようになりました。
入退院を繰り返しながらも、お互いの諦めない姿勢により、チヨさんは笑顔で100歳の誕生日を迎えることができたのです。
*生協10の基本ケア:第2章は「床に足をつけてすわる」第3章は「トイレに座る」となっています。
事例研究は
自分自身のケアの在り方を見直す良い機会になる
~利用者から学ぶ生きる力~
研究に関わったスタッフは、次のように振り返っています。
★「本人が主体となって、望む暮らしを実現する支援を大切にした。時には視点を変え、ストレングス(強み)を見つけだすように心がけた。できることを伸ばすかかわりが出来た。(ケアマネジャー)」
★「人はいくつになっても可能性は無限大であることに気がついた。諦めることは簡単だが、視野を広げ、少しでも良くなる可能性があるのならば、積極的に行動に移していきたい(デイサービス介護員)」
その他、うつ病のある人に寄り添った24時間、認知症のある人のその人らしいくらしや自発性を高めるかかわり、就労支援を受けている若者の自立支援についてなど、どの研究も「利用者が主役になれる生き方」をサポートしたものでした。
これからも私達は、今のケアに満足することなく、常に立ち止まり考えること、視野を広げたチームケアを取り組むことを心掛け、切磋琢磨していこうと思っています。
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この記事を書いた人・法人について
林祐子さん
エフコープ生活協同組合 福祉事業部 運営・企画課担当