みんなで学ぶ生協10の基本ケア講座♥

生協10の基本ケアは、2018年から全国の生協の福祉のブランドとして運用・導入・定着に向けた活動が始まりました。コロナ禍により一時期途絶えていた集合研修ですが、内容を新たに再始動。今回は全国17の法人から仲間が集まりました。今回は、講座の様子を一部ご紹介します。

生協10の基本ケア ~私たちの目指す介護~

―あなたの介護は誰がする?

約40年後の2065年の日本は高齢化率が38.4%に達する見通しで、2.6人に1人が高齢者の世界です。
人口構造を観る限り、将来は介護職員だけでは介護を担うことは難しくなるかもしれません。
では一体だれが介護を担うのか・・・みんなで真剣に考えなければならないのです。
組合員組織である生協は、組合員さんと生協10の基本ケアの考え方を共有する取り組みを始めています。
老いを前向きにとらえ、毎日の日常生活を維持する大切さを知り、介護予防の重要性を学び備えを始めます。
組合員、職員、そして地域住民の皆さんと一緒に学び合う重要性を確認しました。

-介護状態になってもあきらめない。できることを増やす介護。

たとえ介護が必要な状態になっても、あきらめる必要はありません。
その人らしく生きるためには日常生活の土台が整えることから始まります。
「できないことを手助けする介護」は、結果的に活動する力が落ちてしまいます。
その人の持つ力を使い、小さなできることを増やす、生きる喜びや幸福感を感じる介護を目指します。
この学習会では「過剰介護はしない」ことをみんなで確認します。

-排泄はトイレでするのがあたりまえ。

尿がたまった大人のオムツを持ったことがありますか? ずっしりと重い。
私たちは、排泄はオムツではなくトイレに行く生活を大切にしています。
トイレで排泄という、ふつうの当たり前のこの感覚を、介護職として再確認します。
ご本人の足の力、身体の重心の置き方を確認し、トイレに行くためのケア方法について学びます。
人を介して尊厳を護(まも)るのです。

ー目指すはふつうの生活

朝が訪れ、夜が訪れる。私たちは24時間このサイクルを繰り返し、生きています。
ベットから起き上がりトイレに行く。歯を磨きご飯はテーブルで食べる。イスに座ったり立ったりを繰り返す。
たとえ要介護状態になっても、できる限り自分の力を使って動き、活動量を維持します。
そして何より重要なのが、ご本人の「気持ち」。
いまの本当の気持ち、家族の思いなどを、日々丁寧に気を配り確認し、伴走します。
このことは介護保険制度の基本理念と一致しています。

介護技術 ~学び・知識を実践にうつす!~

介護というと、介護する人が手をひいたり力をかけることをイメージしませんか?
生協10の基本ケアの考え方は、その人のできること、持っている力を最大限活用する介護です。
「動こう・立ち上がろう」とする行動に対し、どのように手助けをするか。
自然な身体の動きを活用し、生活の中でリハビリを兼ねた動きへと導いていきます。
そのためには、知識と技術が必要です。

生涯にわたり心ゆたかにくらす

なじみのある地域で、いつまでも自分らしくずっとくらし続けたい
そんな誰もがおもう当たり前の願いを実現するために、10の基本ケアはつくられました。
人生終盤となる高齢期に、自分らしく、笑顔で生きる。
私たちにとっても利用者の笑顔は、何よりもの喜び。
生協10の基本ケアをとおし「生涯にわたり心ゆたかにくらす」の実現を目指します。

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この記事を書いた人・法人について

一般社団法人 全国コープ福祉事業連帯機構さん

一般社団全国コープ福祉事業連帯機構は、生協と、生協を母体に設立された社会福祉法人が設立し参加する、事業支援団体です。今までも各地の生協、生協を母体とし設立された社会福祉法人等は、それぞれの地域に根差し福祉事業を発展させてきました。それぞれの特長や個性を、お互いに不断に学びあい、生協の介護・福祉を高めていく協同事業を展開している「生協の介護・福祉」の全国ネットワークです。

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