急に認知症が進んだのは、部屋の模様替えのせいかも?! 誰にでも起こりうるリロケーションダメージとは(介護・くらしのレシピ集)
このレシピのポイント
環境が変わるだけで、人は精神的ストレスを感じます
特に認知症の方は、目に付くものすべてにダメージを受ける可能性があります
リロケーションダメージに配慮した、脳にやさしい環境作りをしましょう
リロケーション・ダメージ
場所や暮らしなどの生活環境の変化がストレスとなり、不安や混乱が生じ、不眠、不穏、興奮、うつ症状などを引き起こすことをリロケーション・ダメージと言います。これは誰にでも身に覚えがあることです。転校、新社会人生活、転職、引越しによる近所付き合いの変化。みなさんもこのような変化を体験すると、ストレスを感じるのではないでしょうか。
毎日ストレスを感じやすい認知症の方
認知症の高齢者にとって、このリロケーションダメージは想像以上に深刻な問題です。認知症の方は、ご自分の部屋やトイレの位置が記憶できなかったり、仲間の顔と名前が記憶できません。その他、日々の生活で目につくものすべて(カレンダーやTVのリモコンや最新式の掃除機など)が理解できないことから、毎日多大なストレスの中で生活を送っているのです。
また、様々な事情により部屋を二階から一階に変える、住み慣れた自宅から子どもの家のそばに引っ越す、施設に入所する等の変化は、私たちが想像する以上に深刻なダメージを受けてしまう可能性があり、急に認知症が進んでしまう要因になりえるのです。
脳にやさしい環境作り
そこで、環境を変える際は、リロケーションダメージに配慮した、脳にやさしい環境作りを意識してみてください。具体的には、極力文字や数字による情報を減らすこと。(場合によってはカレンダーや時計などであっても)
道具類を目に付く場所に置かない。装飾もわかりやすくシンプルなものにする。色によるサインを有効的に使う。以上のような取り組みがあげられます。ぜひ参考にしてみてください。
*パルシステム東京採用サイト
生活協同組合パルシステム東京 採用ホームページ[採用・求人情報] (job-gear.net)
この記事を書いた人・法人について
芝原雅博さん
パルシステム東京 上町陽だまり施設長