『できること』から『したいこと』へ。 当たり前の日常を私たちが引き出すお手伝いとは(介護・暮らしのレシピ)
このレシピのポイント
本人を理解することからはじめる。
その人が『何をしたい』か、を考える。
夢中になれることをする。
「夢中になれることで人と人を結ぶ。会話がうまれ、笑顔が溢れる。そんな1日を過ごしていただくことを大切にしています。」
そんな風に話してくれた、パルシステム千葉のデイサービスにじいろぱる松戸六実で管理者をしている野口さんから届いたレシピ♥
〇本人を理解することからはじめる
介護が必要になると、疾患や心身の状況によって日常生活に制限が出てしまいますが、できることもできないと決めつけることで、人との関わり合いに消極的になり、日常生活動作の低下や生活の質を下げてしまう要因となります。
そのような状態の方に対し、どのようにアプローチしていくかが重要です。
危ないからと言われて、やらないことで、できることが次第に減っていき自信をなくし、意欲が低下している方がよく見受けられます。
まずは、その方のありのままの姿を受け止め、対話や観察により何を求めているかを把握することが必要です。
ご本人の気持ちの理解を基本にしたかかわりを通じて、お互いの信頼関係をつくることが大切です。
「昔はよくおむすびを握ったもんよ」と、
利用参加のレク会議で具を決定。シラス・鮭・梅干しが大人気!
おにぎりパーティーを開催。
〇その人が『何をしたい』か、をともに考える
デイサービスにじいろぱる松戸六実は「当たり前な日常・当たり前の暮らし」をスローガンにしています。
「当たり前」とは、その方にとっての望ましい暮らし方、これまで大切にしてきた価値観などを指しています。
体操や機能訓練だけではなく、好きなことや得意なことを引き出し、「できること」・「したいこと」・「役割」を持っていただくことで、その方にとっての当たり前な日常を過ごしていただくことを大切にしています。
介護を受けている状態の方にとって「当たり前」は難しいかもしれませんが、その方の好きなことを取り入れ、再認識することで、目的意識も強くなり「したいこと」が湧いてきます。
それらを行うことで生活意欲も高まります。
コーラスやバンド活動をされてきたご夫婦。
ボランティアの方と一緒にギター演奏と歌声を披露。
夢中になれることをする
意欲が高まると様々なことに「チャレンジしたい」・「人と関わりたい」という想いが自然と生まれます。
レク会議に利用者にも参加してもらい、したいことを提案してもらうこともあります。
デイサービスの畑での野菜作り、調理レク、手工芸などなど、夢中になれることを再発見して取り組むことにより、その方の日常は豊かになると思います。
また、一人一人個性があり違う色があって当然ですから、にじいろぱるでは、集団生活の中で同じ行動をするのではなく個々の役割を担っていただいています。
朝の準備からお帰り前の掃除まで職員と一緒に行い過ごす1日を作ります。
夢中になれることとともに役割を通じて交流が生まれ、さらに人との輪が広がる。そんな人との関わり合いの中で日常生活を快適に過ごしてもらう空間作りを大切に考えていきます。
この記事を書いた人・法人について
野口 サヤカさん
デイサービスにじいろぱる松戸六実 管理者