ご利用者様にとって、より身近で親しみやすい存在として。 デイサービスの現場で看護師として働く意義。(「生協の介護・福祉」のプロ紹介)
看護師と聞くと、「病院が職場」というイメージを持つ人も少なからずいることだろう。しかし近年、デイサービスなどの介護施設においても、利用者の健康管理や施設内の簡易な医療行為を行える唯一の職員として、その役割を期待されている。今回はそんな看護師としていばらきコープデイサービスで活躍する奈良さんに、お仕事について詳しく話を伺った。
一人ひとりの体調を管理し、
介護のそばで健康をささえる仕事。
――現在の業務内容を教えてください。
コープ菜の花デイサービスセンターの看護師として、ご利用者様の体調管理をメインに看護を行っています。基本的にはバイタルチェックというお熱、血圧、脈拍などの数値を診ながら、ご入浴や運動が可能かどうかの評価をしています。また、ご利用者様のお風呂の時間などに医師からの指示に従ってお薬を塗ったり、何か異常があった場合にはご家族やケアマネジャーへの報告なども行っています。あとは介護士のサポートを行う形ですね。
――ご利用者様が通院されている病院の処方せんを基にしながら、看護をされているのでしょうか?
はい、そうです。ご利用者様ごとにどの病院でどんな風な処置をして…という事項をご家族やケアマネジャーに確認して処置を行っています。例えば内服薬の処方が必要なご利用者様の場合、お昼の前に飲むのか、後に飲むのかという細かいことまで確認しながら看護をしています。
――看護師というと病院で勤務するイメージがありますが、デイサービスで看護師をしようと思うきっかけは何だったのですか?
元々は病院で働いていて、最初に勤めたのが精神科でした。その中で認知症の方と関わることも多く、看護はもちろんですが、患者さんとの対話する時間にやりがいを感じていました。デイサービスで働き始めたのは、6年程前に茨城で生活をすることになり「次は高齢者の方々と関われる施設で働いてみたい」と思ったのがきっかけです。
――病院とデイサービスの両方で看護師をご経験されて、どんな部分に違いを感じますか?
例えば病院ですと何か異常があった場合は医師に連絡をして、目の前で診てもらい、すぐに指示を仰ぐことができますが、デイサービスではそうはいきません。そんな中で「これはすぐに医師に連絡をするべき?様子を見るべき?」とすごく悩むときがあって。もちろん自分一人で判断するわけではなく、相談員やケアマネジャー、看護師の先輩に状況報告や相談をしながら、常にできる限りの判断はできるように努めていますが、そこは病院と違う部分ですね。
ご利用者様ごとに通院されている病院も違いますし、医師からの診断はあるものの、現時点でどこまで治療されているか曖昧な部分もあったりするので、そこもデイサービスならではの難しさなのかなと思います。
看護師としてご利用者様の安心した笑顔を
引き出せるような存在でありたい。
――お仕事をされる中で、心がけていることはありますか?
よくご利用者様からお話を伺うと「病院の看護師さんは忙しそう」「何か聞いても冷たい対応をされる」というイメージがあるみたいで。私としては、ご利用者様の笑顔を引き出せるような、安心してもらえるような存在になりたいと思って対話をしています。
例えば挨拶のときも笑顔で近づいて、ゆっくり話しかけることを意識していますね。にっこり笑いながら手を振って「おはようー!」と言うと、「今日もいたのね、会えてよかったわ」という言葉を頂けて、そこでまた笑顔にさせてもらったりして。ご利用者様から信頼して頂けると、「実はこうだったの」と色んなことを話してくださることが多いので、まずは安心してもらうことが第一歩かなと思っています
――看護師をされる上でどんなところにやりがいを感じていますか?
ご利用者様が「病院では聞けなかったけど、これってどうなの?」と不安に思っているようなことや質問に対して、自分の知識の範囲で噛み砕いて話してあげたり、お薬の相談に乗ったときに喜んで頂けることですね。「聞けてよかった」「あなたにだったら今度からまた言うわ」という言葉を頂けたときはやりがいを感じます。
――来所される方もより親身な存在として認識してくださっているということですね。
病院に比べるとお一人お一人とお話する時間も長いですし、コミュニケーションが取れているのかなと思います。それから、爪切りなんかも喜んで頂けますね。お家でご自身でやるにも危ないこともあり、「単なる爪切りだけど、足の爪が切れないんだよ~」という仰る方も結構いるんです。私が爪を切ると「綺麗に切ってくれてすごく嬉しい。また切ってくれる?」と気に入ってくださって、簡単なケアだけどこんなに喜んでもらえるんだなとすごく嬉しい気持ちになりますね。
何でも相談できる上司や先輩のおかげで、
自分らしい素直な気持ちで働ける。
――事業所内に看護師が限られた人数しかいないと、一緒に働く人達から頼られる部分も大きいのでは?
そうですね。コープ菜の花デイサービスセンターでは私が一番年下なので、入社したての頃は私が指示していいのかなと悩んだ時期もありましたが、徐々に皆さんとコミュニケーションが取れるようになりました。介護士の方々も「〇〇さんがこう言ってたよ」「ここ後で確認してもらってもいいですか」と、何かしら声がけをしてくださりながら、私の気づかないところをサポートしてくれるんです。先輩方が優しい方ばかりなので、困ったときは「助けて~」と逆に言っちゃう感じですね。今はすごく連携が取れていると思います。
――職場の環境として魅力に感じている部分はどんなところですか?
私には小学生の子供がいて、今は頻繁に呼び出されることは少なくなったものの、保育園や学校から「お子さんの具合が悪くて」と連絡が入ることも多いんです。そんな時、職場によっては嫌な顔をされたり、「またなの?」という風に言われたことも何度かあって。でも、このコープ菜の花デイサービスセンターでは「子供さん大丈夫?」と皆さんすごく心配してくださるんです。
デイサービスでは二時間は看護師がいなければならないという規定があるのですが、そこは守った上で「もう帰っても大丈夫だよ。もしわからないことがあったら連絡させてね」と、何度となく温かい言葉をかけて頂いて。
直属の上司をはじめ、皆さん本当に優しいので子供のことも相談させてもらっていますし、仕事でも「ちょっとわからなくて」と言えば皆で一緒に考えてくれる、その雰囲気がとてもありがたいです。自分が自分のままちゃんと仕事ができるというか、素直な気持ちのまま安心して働ける、そんな素敵な場所だなと思っています。
目指すのは、憧れの先輩のような存在。
頼りにしてくれるご利用者様の気持ちに応えたい。
――お仕事の息抜きやリフレッシュしたいときは、どんなことをされていますか。
カラオケに行って歌を歌うのがすごく好きで、コロナウィルスが流行する以前は一人でも行っていましたね。今は中々できない分、自分でアクセサリーを作ったりしています。お友達に頼まれたりしたときに作って、プレゼントするのにハマっています。
あとは子供と遊んでいる時間が癒しですかね。懐かしいなと思いながら一緒に折り紙や粘土をやってみたり、絵を描いてみたり。いい気分転換になっています。
――趣味の時間やお子さんとの時間が癒しになっているんですね。では最後に、今後の目標を教えてください。
一緒に働いている先輩が本当に色んな知識を持っていて、何を聞いてもすぐ答えてくれるので、私にとって憧れの存在なんです。その方になることはできないけれども、少しでも近づけるようにもっと知識をつけて、ご利用者様に何を聞かれてもある程度答えられるという自信をつけていきたいです。
私が病院に勤めていた頃に比べると、治療法なども変化していたりするので、すき間時間に色々と調べて、自分の知識にしていけたらなと思います。ご利用者様が頼りにしてくださる分、その期待に応えられる存在になりたいですね。
いばらきコープ人材採用サイト
いばらきコープ生活協同組合(生協) 採用ホームページ [採用・求人情報] (job-gear.net)
この記事を書いた人・法人について
奈良 あずささん
いばらきコープ コープ菜の花デイサービスセンター 看護師